日本人の死因の1~3位は癌、心疾患、脳血管疾患であり、日本人の2/3近くが生活習慣病に関連した原因で亡くなっているとも言われています。
糖尿病、高脂血症、高血圧、肥満などの生活習慣病は、脳卒中や心筋梗塞、その他重症の病気を引き起こす原因となるのですが、その病気そのものによる自覚症状は乏しく、日常生活に大きな支障を来たさないために、治療がなされず放置されることが多いのが問題です。さらに、現代人の病の複雑さ、深刻さを象徴する問題として、心の病があります。うつ病・自殺・ひきこもり・不登校・少年犯罪などが、近年急増しており、心の病は現代の「世病」(社会の病)」の感を呈しています。
アメリカの国立精神保健研究所の調査によれば、アメリカの成人のほぼ10人に一人がうつ病で、抗うつ剤の使用量も20年前の3倍に増えたと報告されています。日本においても、精神障害を持つ人の数は2005年の時点で300万人を超えています。
近代西洋医学と相補・代替医療を統合し、患者中心の医療を推進し疾患予防に努め、健康増進に寄与しようとするものです。
病気や病巣を取り除くということだけでなく、その原因となる心の状態やスピリチュアルな健康、生活環境なども含め、全人的なケアを目ざすのが統合医療です。